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事例紹介

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■家族構成

ご相談に来られたB様(50代)は、独立するまではご両親と弟の4人でご実家に暮らしていました。ご兄弟が独立した後、実家にはご両親が住んでいましたが、10年ほど前にお父様がお亡くなりになり、その数年後にはお母様が認知症のため近くのグループホームに入所しました。

■相談内容

お母様がグループホームに入所してからご実家は空き家となっていました。そんなある日のこと、近隣の方から「外壁の一部が崩れ落ちている」と通報を受けました。

すぐに実家に向かうとその状況に愕然としました。そこに人がいれば大変なことになっていたでしょう。幸いなことにけが人はいなかったのですが、建物は非常に危険な状態です。B様は早急にベランダの応急処置をし、当社までご相談に来られました。

■課題・問題点

B様は弟と相談し、思い出のたくさん残るご実家ですが、処分する方針を決めました。しかし、ご実家の土地建物は亡きお父様の名義のままです。このままでは建物を解体しても土地を売却することはできません。

まずは相続登記をする必要がありますが、そのためには遺産分割協議書が必要となります。しかし、ここでも課題がありました。B様のお母様は認知症であり、判断能力が不十分なため、遺産分割協議書に署名捺印してもそれは無効とされるのです。

■解決策

このような場合は成年後見制度を利用するしかありません。

家庭裁判所に申し立てをして、お母様に代わって遺産分割協議をする後見人を選任します。後見人にお母様以外の相続人が選ばれた場合は、利害が対立する関係にあるため、家庭裁判所に特別代理人を選任してもらい遺産分割協議を行うことになります。

今回の場合は相続人であるB様が後見人に選ばれたため、B様と弟と特別代理人とで遺産分割協議を行いました。このような手続きを経て、遺産分割協議書を作成し、相続登記をすることが出来ました。そして無事に土地を売却することが出来ました。

■まとめ

今回の事例は相続登記をしていない不動産の売却に関する内容でした。

相続人の中に認知症の方がおられると相続登記に時間がかかるだけでなく、成年後見制度を利用せざるを得ません。しかしこれにはメリットと同時にデメリットもあります。後見人になると不動産売却後も継続してその役割を担うことになりますので、その点は十分にご理解していただきたいと思います。

認知症になった後でも不動産の売却は可能ですが、認知症対策としても相続登記は早めにしておきましょう。

相続登記や認知症のことでどうしていいかわからない、不安だ、とお悩みの方はぜひ当社までご相談ください。

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執筆者情報

執筆者情報

有限会社西都ハウジング
専任スタッフ
松尾 重信

資格・免許
宅地建物取引士
ファイナンシャルプランナー(CFP®認定者)
公認 不動産コンサルティングマスター

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