事例紹介
News Title 亡き父が遺した借地の実家は貸すのも解体するのも難しい
■家族構成
ご相談に来られたD様(70代)はご主人と長女、長男の4人家族。2人の子はすでに独立し、現在はご主人とお二人暮らしです。
■相談内容
ご相談はD様が相続したご実家のことでした。約50年前にD様のお父様が地主さんから土地を借りて建てたご実家。しかし両親が亡くなった後は空き家となったため、お知り合いの方に賃貸していました。それから10年以上の月日が経ち、再び空き家となりました。
そんな時に地主さんから地代の増額を求められました。これまでの約2倍の金額です。驚いて、それなら借地を返還しようと思いましたが、建物の解体費用も負担が大きく、どうすべきかとお悩みになり、当社までご相談に来られました。
■課題・問題点
このような場合は、建物を解体して借地を返還するのが最も手早い解決方法ですが、解体費用を捻出できないとなれば、継続して第三者に賃貸するのが最善の方法と思われます。
しかし、建物が老朽化しているため居住用とするにもリフォーム費用がかさばり、それを捻出することもやはり難しい。借地権付き建物として売却することも検討しましたが、これは地主さんの承諾を得られそうにありませんでした。
■解決策
最終的には建物をそのままの状態で借りてくれる借主を募集することにしました。借主が自由にリフォームできるいわゆるDIY賃貸です。人気のエリアということもあり、借主はすぐに見つかりました。
家賃は周辺の相場価格よりもかなり低くなりましたが、課題であったD様の負担は回避することができました。家賃収入を得ることで、建物の解体費用も確保できるようになりました。
■まとめ
今回の事例は、空き家となったご実家の有効活用に関する内容でした。
借地の場合は建物を売却するときに地主さんの許可が必要です。許可がとれない場合は、裁判所に譲渡承諾の許可を申し立てることも一つの方法ではありますが、まずは有効活用を模索することをおすすめします。
底地・借地の問題でどうしていいかわからない、不安だ、とお悩みの方はぜひ当社までご相談ください。
執筆者情報
有限会社西都ハウジング
専任スタッフ
松尾 重信
資格・免許
宅地建物取引士
ファイナンシャルプランナー(CFP®認定者)
公認 不動産コンサルティングマスター